手でみるシカク

概要
手でみるシカクは、視覚偏重かつリアリティが重視される現代において、普段主な感覚として使用することのない触覚を用いて、そこにないものを想像させる作品です。 ここでいう触覚とは表面を触ったときの皮膚感覚ではなく、物体を持ったときの手や腕に生じる感覚を指します。

展示説明
この作品は7つのテーブルとそこに置かれた1つもしくは2つの木製の立方体と小さな物語の書かれたキャプションからなります。 立方体は見た目は同じで、手で持って動かすことで初めて違いが分かるようになっています。

体験方法
体験者はキャプションに書かれた物語と手から得られる触感という限られた情報から、立方体の中身を当てるのではなく、そこにないものを想像します。 触感から何かを想像するという普段とは異なる体験をするにあたって、物語から得られる情報が想像の補助線としての役割を果たしています。

意義
Virtual Reality技術の普及に伴い、触覚はそこに現実感を付加するための位置づけとされており、触覚そのものから何かを想起するという体験をすることは多くありません。 一方で限られた情報から何かを想像するという行為は「見立て」という文化の中にも存在し、枯山水において人は石や砂を水や山に見立て、落語では扇子が箸に見立てられます。 こういった限られた情報から、そこにないものを想像するという行為を触覚において体験することを可能にしたのが本作品です。

情報科学芸術大学院大学(IAMAS) メディア表現研究科 2016年度修士作品
2016年制作
木(アガチス)、ABS、セメント等

 


展示

岐阜市科学館「みかた・みえかた展」
2016年8月6日(土)~8月28日(日)

岐阜市科学館で開催中の「みかた・みえかた展」に「手でみるシカク」を出展

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IAMAS WORKS 2016
2016年9月24日(土)、25日(日)

IAMAS OSで「手でみるシカク」を展示

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IAMAS 2017
2017年2月23日(木)~26日(日)
http://www.iamas.ac.jp/exhibit17/